トクトクと胸が高鳴る。 同じベットに寝そべって、こんなにも距離が近いのに、私は蓮くんから目が離せない。 「歌鈴は十分なくらいよく頑張ってるだろ?」 すっと細められた優しいブラウンの瞳。 見ているだけで安心する。 「蓮く……もうちょっとここにいたい……」 蓮くんの体温を感じて、だんだん瞼が重くなる。 「……この状況でそういうこと言うとか、卑怯だろ」 ぼやけてくる視界の中で、蓮くんが前髪をくしゃりとかきあげている。