こんなの不意打ちを通り越してるよ。 私に卑怯なんて言ったくせに、蓮くんの方が卑怯だと思う。 「だからアイツにはもう見せんなよ」 アイツとは理人先輩のことだ。 くるんっと私の身体を回転させて、確かめるように顔を近づけた。 そして、蓮くんにポンッと頭を撫でられる。 それが嫌じゃなくて……ちょっとだけ嬉しくて。 ドキドキ高鳴る胸を押さえながら、「うん……」と呟くのが精一杯だった。