「っ、……!?」


ドキンッと、心臓が大きく飛び跳ねた。

なにしてるの……!?

パパと電話中に……今はマズいってば!

べたっと体重をかけるようにした蓮くんが、後ろから私を抱きしめてるんだもん。


「理人理人って。電話の相手は圭吾さんじゃなかったの?」


受話器越しでは聞こえないくらいの声のボリュームで、ヒソヒソと耳打ちしてくる。

弾けるように見上げれば、不機嫌な眼差しが注がれていた。


「もちろんパパに決まって……ひゃっ……」

「歌鈴!? どうしたんだい!? 不審者でも侵入してきたか!?」