「問題ない。約2メートル先にお嬢様の姿を確認中だ。チームBはその場で待機するように」 チームBとは戦術チーム。 要は護衛だ。 ……私、もう高校生なんだけどな。 後ろから大股歩きでついてくる若さんの声が気になるけれど、私と蓮くんはようやく学校へと歩き出した。 「ぷ。あんな調子じゃ歌鈴に彼氏出来てもついてくんじゃないの?」 「うぅ……」 「で、お前にキスなんかしたら圭吾(けいご)さんに埋められそー」 圭吾さんとはパパのこと。 家族ぐるみの付き合いもあって、蓮くんはずっとそう呼んでいる。