同時に、胸の当たりに回された誰かの手は、私を理人先輩から引き剥がした。 「警戒心持てって教えたのに」 ……不服そうに耳元で落とされた声は蓮くんのもので。 「れ、蓮く……っ、」 反射的に顔を上げれば、ミルクティー色の髪が視界に飛び込んできて。 どう見ても、不機嫌を全開にした蓮くんがいた。 「やっと出てきたね、青葉蓮くん。待ちくたびれたよ」 理人先輩は、まるで挑発するかのようにヘラっと笑ってみせた。