「あのっ! 若さん……! パパには私から話しますので、これからは歩いていきます!」
このやり取りも何度目かわからないくらい。
「しかし、それでは旦那様のご心労が……」
「大丈夫です……! パパにはわかってもらいますので……」
パパの心配性は尋常じゃないくらいなのだ。
だからこうして、断っても断っても若さんを私につけようとする。
「納得とはいきませんが、お嬢様の主張ですので受け入れるしかありませんね……」
「ありがとうございます、若さん!」
「とんでもこざいません。車を移動した後、わたしも徒歩で後ろからお供致しますので」
「……」
うん、やっぱり今日パパが帰ってきたらまた説得しなきゃ……。



