「それひと口ちょーだい?」 「へっ?」 背後から降ってきた声に、私と二乃ちゃんが振り返った。 「理人先輩!?」 「出たわね!!」 驚く私と失礼極まりない発言をする二乃ちゃんの後ろには、理人先輩が立っていた。 どおりで、廊下から女子のはしゃいだ声が聞こえてきたわけだ……。 「歌鈴ちゃんが作ったお弁当?」 「……えっ、そうですけど」 例の卵焼きに視線が送られて、私は慌てて隠した。