「なっ!? 入らないってば……!」 「残念」 なんて言いながら、上着を羽織って玄関へ向かう蓮くんを追いかけた。 「からかわないでよ……っ、確かに私の勘違いだったけど……」 それに電球だってこんな時間に買いにいってもらう羽目になっちゃったし……。 「歌鈴、忘れないでくれる?」 「ご、ごめんなさい……っ。次は買い忘れがないように……」 「違うそうじゃない」 「え?」 靴を履いた蓮くんを見上げて、目が合った瞬間。 私の頭の後ろに手を回すと、そっと自分の方に引き寄せた。