「いいですかお嬢様。例え幼なじみと言えど、お嬢様に特別な感情を抱いているわけですから用心なさって頂きたいのです」


一理あるかもしれない。

だって、あの夜の蓮くんはキス以上のことだって本当にしちゃいそうで……。


「そしてしっかり花嫁スキルを身につけて、旦那様と奥様が帰国なさる頃には素敵なレディになられているように致しましょう」


思い出すだけで顔が熱くなってくる。

でも、これまでに私が身につけたことと言えば、洗濯と初心者レベルのお料理スキルだけ。

あと、幼なじみはオオカミなんだってこと。


「むっ! 殺気を感じます!」

「へ!? 殺気……ですか?」