家に帰るとコウくんは、本当に疲れて眠かったのか「夕飯できたら起こして」と自分の部屋へと行ってしまった。
コウくんが寝ている間に簡単な掃除と洗濯を済ませて、夕飯を作る。
いつもキッチンを覗かれながら作っていた夕飯。
コウくんが居ないと変なドキドキもなくスムーズに進んだけれど、どこか寂しく思う自分がいた。
長くなっていた陽も沈み、電気をつけなければいけないくらい暗くなった。
時計を見てみるともう夜の7時。
途中で起こすのは悪いかと思ってしばらくそっとしていたけれど、そろそろお腹も空いてきたし起こしてもいいだろうか。
「コウくん、入るよ?」
コウくんの部屋のドアをノックしてみたけれど返事がなく、そっとドアを開ける。
真っ暗な部屋の中でコウくんの静かな寝息だけが聞こえた。



