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学校では咲良ちゃんにコウくんとの半同棲生活について質問攻めにあった。
恥ずかしくて一緒に寝たことは秘密だけど、停電になった時に真っ先に助けに来てくれたことを話すと、咲良ちゃんは口に手を当ててきゃあっと声を上げながら楽しそうにしていた。
咲良ちゃんはわたしたちのことをからかって来るけれど、わたしの気持ちに寄り添って嬉しいことは一緒に喜んでくれるから話していて嬉しくなる。
そんな楽しい時間はあっという間なのに、難しい授業は別。
今日なんて5教科が揃う時間割で、放課後にはもうヘロヘロになっていた。
「お疲れ様、芽依ちゃん」
「咲良ちゃんー、もう勉強したくないよ」
「本当に芽依ちゃんは勉強嫌いだね」
「難しすぎて聞いていても右から左へ抜けてくんだよ……」
そんなわたしの愚痴に、咲良ちゃんはあらあらと背中をさすって慰めてくれた。



