ぜんぶ欲しくてたまらない。




コウくんは意地悪だ。


わたしの心を揺さぶるように、雷も操っているのかな?



「ヤダ、今は離れちゃ嫌っ」



今にも泣きそうなか細い声で呟くわたしに、コウくんはフッと笑う。



「おいで、芽依」



そんな優しい言葉に乗せられて、ギュッとコウくんにしがみつく。


恐怖で震えるわたしをコウくんは優しく抱きしめ返してくれた。


コウくんに包まれると安心する。


どんなに怖くても、全てのものから守ってくれそうで。


わたしはコウくんから離れられない。



「今日は俺のベッドにおいで」



1人じゃ寝られないでしょ、と全てを見透かされて、コウくんと同じベッドで寝ることになった。


優しさに溺れて深く考えていなかったけど、いざコウくんのベッドに入って気がついた。