ぜんぶ欲しくてたまらない。




そんな恐怖に怯えるわたしに追い打ちをかけるように、真っ暗な部屋の中に明るい光が大きな音とともに舞い込んできた。



「ひっ!」



思わず近くにあったものにしがみつく。


地響きがするくらいドーンと大きな音を鳴らす雷。


光と音がほぼ同時だったから、かなり近い。


こわい、こわい、こわい。



「まだ雷ダメなの?芽依はまだまだ子どもだね」



わたしが思わずしがみついたのは、コウくんの腕だったらしい。


怖すぎてギュッと目をつぶっていたから、すぐ近くでかけられた声で気がついた。



「…そんなことないもん」



子どもを諭すように頭をポンポンとしてくるコウくんに子どもじゃないと反対する。



「なら離れてもいいの?」



そう言ってコウくんはわたしのコウくんの腕を掴む手を剥がそうとする。


そんなタイミングでまた大きな雷が鳴った。