ぜんぶ欲しくてたまらない。




「きゃあっ!」



バツンと突然切れた電気。


暗闇に包まれて何も見えない。


……て、停電!?



「芽依?大丈夫?」


「コウくん?」



ライトを持ったコウくんが来てくれて、こちらを照らしていた。



「……あっ」



明るくなって、今自分が裸だったことに気がつき、慌てて湯船の中でうずくまる。



「心配しなくても見てないから。ライトここに置いて出るから早く着替えてきて」



コウくんは言った通りライトを棚の上に置いて、部屋から出ていった。


それを確認してから視界の悪い中、転ばないようにそっとお風呂から出る。



……恥ずかしい。


本当に見てない?見られてない?



逆光になっていたから、コウくんの顔までは見えなかった。


とにかく恥ずかしすぎて、顔が熱い。


お風呂から出たのにのぼせそう。