そして家に帰り、お昼が近づいてきたのでオムライスを作ることにした。


エプロンをして始めたはいいのだけれど、すっごく料理がしづらい。


このマンションのキッチンはオシャレな対面キッチンになっているんだけど、そこからコウくんが腕をついてこちらを覗き込んでくるんだ。


こんなに見られながら料理することなんてなかなかない。


しかも顔が整いすぎているコウくんがこっちを見ているなんて、ドキドキしないはずがない。


今日一日だけでこんなに心拍数が上がっちゃって、寿命が縮んでしまったんじゃないかというほど。



「コウくん、ソファーに座って待ってて大丈夫だよ?」


「ここでいい」


「完成するのもう少しかかっちゃうし……」



ちょうど材料を刻み終わったので、あとチキンライスを作って卵を焼かなければいけない。



「芽依の料理作ってるところが見たいの。ダメ?」



そんな……キュンとすることを子犬みたいな目で見て言われたら断ることなんてできない。


ずるいんだよ、コウくんは。


結局状況変わらずこのままで、なんとかわたしはオムライスを完成させた。