無事にスーパーで必要なものを買えて、マンションへと帰る。
「ねぇ、やっぱりわたし持つよ」
「いい」
1週間あるから……とついつい買いすぎてしまって袋がふたつになってしまった。
それをコウくんが1人で持っている。
きっと重いのに全て持たせちゃって、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
だから、何度もわたしも持つと言っているのにコウくんは頑固に拒否してくるんだ。
「なんでそんなに…」
「芽依がオムライス作ってくれるんでしょ?なら、これくらいやる」
「そっか、ありがと」
コウくんが譲らなかったのは、コウくんなりの優しさだった。
そう言われたらその言葉に甘えてしまう。
それなら、とびっきり美味しいオムライスを作ってあげなきゃ。
2年前よりはわたしだって成長してるし、もっと美味しいオムライスを作ってあげられる。
「楽しみにしててね、コウくん」
「んー」
素っ気ないコウくんに、頬っぺたが落ちそうなくらい美味しいって言わせてやるんだ。



