ぜんぶ欲しくてたまらない。




「これサンタ?」


「うん、そうだよ。可愛くて調べて作ってみたんだー」



苺を切って間に生クリームを挟んで作るサンタクロース。


どんなケーキを作ろうかと調べていた時にこの写真が出てきて一目惚れしたんだ。



「すごいね、これ」


「でしょ?」



マジマジと苺のサンタクロースを見るコウくんにわたしはドヤ顔をする。


可愛いクリスマスケーキを作りたくて頑張ったんだから。



「今ケーキカットするね!」



ワンホールのケーキだから、2人ではご飯の後だし食べきれない。


余った分は冷蔵庫に入れて、お母さんとお父さんにあげることにした。



「はいどーぞ」



切ったケーキの大きさに合うよう小さめの皿に移してコウくんへ渡す。



「ありがと」



苺とブルーベリーとラズベリー。


3つのベリーをたくさん使って作ったケーキ。


コウくんが先にフォークを入れて口へ運ぶ。



「んー、甘くて美味しい」



美味しそうに食べるコウくんを見て待ちきれなくなったわたしは、大量にケーキをすくって口に入れる。


一気に口の中に広がる生クリームの甘さ。


甘酸っぱいベリーがその甘さにマッチしてて、我ながら上出来な仕上がり。



「美味しいねっ、コウくん」



食べる手が止まらず、お腹がいっぱいだったのにすぐケーキはなくなってしまった。