「ねぇ、もうすっごくお腹ペコペコなんだけど食べていい?」
テーブルの上の料理を見つめて、エサをお預けされている子犬のよう。
「ふふっ、どうぞ」
なんだかその様子が可愛く見えて、思わず笑ってしまった。
そんなわたしにムッとしながらもテーブルの前に座ってチキンを口に運んでいた。
1ピースでもなかなかの大きさがあるチキンをペロリと平らげてしまったコウくん。
昼ごはんを抜いていたんじゃないかというくらいの食べっぷり。
そんなにお腹が空いてたのかな?
「味付けどうかな?」
実はローストチキンを作ったのは初めてで、上手くできたかちょっと不安だった。
「ん、すごく美味しい」
コウくんが言うんだから間違いない。
「よかったぁ」
美味しいという感想を聞けてホッとする。
これで安心して楽しめそう。
2人でクリスマスが舞台の映画を見ながら、ゆっくり食べてクリスマスを満喫する。
ちょっと多めに作ってしまって余ってしまうかもしれないと思っていたサラダとチキンはひとつ残らず綺麗になくなっていた。
「コウくん、ケーキもあるけど食べられそう?」
「芽依の作ったものならなんでも食べる」
「無理はしちゃダメだよ!?」
そう言ってくれるのはすごく嬉しいんだけど……
予想以上にたくさん食べてくれて逆に不安になってしまう。



