ぜんぶ欲しくてたまらない。




「咲良ちゃん、プレゼントこれでいいかな?」


「えっと……抱き枕?」



一目惚れしたわたしより少し小さめの抱き枕。


セーターを探そうと決めていたのに突然抱き枕を手に取るわたしに戸惑う咲良ちゃん。



「この触り心地ね、わたしのパジャマに似てて……コウくんのお気に入りなんだ」



このふわふわの触り心地。


これが気持ちよくて好きなんだってコウくんが言っていた。


コウくんは毎日抱き枕を抱いて寝ている。


オシャレな服は結構持っていたはずだし、セーターよりもむしろ抱き枕の方がコウくんは毎日使ってくれそう。



「芽依ちゃんがコレって思うならいいんじゃないかな? 一生懸命芽依ちゃんが選んでくれたものならなんでも倉敷くんは喜んでくれると思うよ!」



喜んでくれそうと思ったものの、本当にクリスマスプレゼントがこれでいいのかと不安に思いもあったから、咲良ちゃんのその言葉はわたしの背中を押してくれた。



「よし決めた!これ買ってくるね!」



どうかコウくんが喜んでくれますように。


そう願いながらお会計を済ませて、可愛い赤い包装紙と金色のリボンでラッピングをしてもらった。