ぜんぶ欲しくてたまらない。




「どう?なんかいいものあった?」



スパゲティーをフォークで器用にクルクルと巻きながら咲良ちゃんはこちらを見た。


その視線に気がついたわたしは、ドリアをスプーンで救おうとしていた手を止めた。



「んー、やっぱり難しくてまだ決められてないの」



咲良ちゃんが紹介してくれたマフラーも手袋も暖かそうでよかったし、セーターもコウくんにすごく似合いそうだった。


いいなとは思うんだけど、ビビっとコレ!となったものにまだ出会えていない。


今までもコウくんに少ないお小遣いで買ったちょっとしたプレゼントならしたことはあるけれど、本格的に選んで渡すプレゼントは初めて。


しかも彼氏のコウくん。


始めてあげるものはコウくんが本当に喜んでもらえるものにしたい。


これってこだわりすぎ?


喜んでほしいって思いはみんな同じだよね?



「食べ終わったあと、もう一回お店見に行ってもいい?」


「もちろん!今日は芽依ちゃんにとことん付き合ってあげるよっ」


「ありがとー!このお礼はあとで絶対するよ」



絶対いいプレゼントを見つけるんだ!


そう意気込んで、ドリアを口にかき込んだ。