「お願いします、咲良ちゃん!わたしを助けてください!」
「わたしが芽依ちゃんのお願いを断れないの知ってるでしょ?」
軽いため息をつきながらも、仕方ないなぁと引き受けてくれた咲良ちゃん。
「ありがと咲良ちゃん、大好き!」
思わず嬉しくて抱きついてしまう。
咲良ちゃんは優しくよしよしと受けとめてくれた。
「そうと決まれば探しに行くよー」
わたしは咲良ちゃんの子分になったかのような気持ちで後ろをついて行く。
とりあえずメンズものを取り扱っているお店に入っては、異性へのプレゼントに定番なアイテムを紹介してもらった。
「今は冬で寒いし、定番モノならマフラーとか手袋かな?あと、セーターとかもいいかも」
咲良ちゃんはファッションショーのように合わせて見せてくれる。
たくさん教えてくれたものを忘れてしまわないように、メモを取る勢いで耳を傾けて聞いていた。
午前中を使ってショッピングモールの目星をつけていたお店をまわり、見終わる頃にはお昼になっていた。
「お腹も空いたし、ちょっと休憩しよっか」
咲良ちゃんの提案で、高校生のお財布にも優しいお手頃価格のイタリアンレストランに入る。
咲良ちゃんはカルボナーラ、わたしは人気ナンバーワンのドリアをそれぞれ頼むことにした。



