「なになに、俺も気になる!」
そう食い気味にやってきたのは須藤くん。
「あ、おはよー俊介くん!」
あれ、咲良ちゃんの須藤くんの呼び方変わってる。
きっとまた進展があったのかな?
これは2人が付き合うことになる日もそう遠くないのかもしれない。
「ねぇ、俺にも聞かせてよ芽依ちゃん」
「いや、その……」
どこから話せばいいか……というより恥ずかしくて何も話せないっていうのが一番近いんだけど。
「芽依が困ってんじゃん、やめなよ」
淡々とそう言いながら須藤くんの後ろから登場したのはコウくん。
朝も一緒に登校してきたけど、やっぱりまだドキドキする。
「おぉ、彼氏くんの登場じゃん?」
「うるさい俊介」
「うわぁ、怖っ」
須藤くんがコウくんのことをいじるけど、本人はなんでもない様子でいつも通り。
なんでわたしが熱くなってるんだろう。
「でも、芽依ちゃんに優しくなったよね航大」
「はぁ?元からだから」
「あんな素っ気なかったのに?」
「俺はいつも通りだから」
いつものように言い合いながらも仲良さげなコウくんと須藤くん。
心を許しあっているっていうのかな?
確かに須藤くんの言う通り、ちょっと笑顔も増えて表情豊かになったかもしれない。
嬉しいような、わたしにだけ見せていた笑顔を見られるのは寂しいような。
でも、やっぱり嬉しい気持ちの方が強いかな?
わたしも久しぶりの学校生活に楽しそうなみんなにつられて笑った。



