「ねっ、コウくん照れてるの?」
「うるさい」
「ねぇってば、こっち向いてよ」
顔をわたしから逸らすコウくんにこっちを向かせようと手を伸ばす。
「それ以上やったら宿題教えてあげない」
「それは酷いよ……」
その伸ばした手は不機嫌なコウくんによって阻止された。
それから始まった勉強会。
……といっても、ただただひたすらにわたしが宿題を進めていくだけ。
全部終わっているコウくんはわたしが問題を解いている間暇らしく、何故かわたしの膝枕で寝ている。
こんなの集中できないよ!
わたしの手が止まると話しかけてくるから、完全に眠りにはついてはいないんだろうけど、時々聞こえる吐息にドキッとする。
「ひゃっ、こ、コウくん!?」
「んー?」
「んー?じゃないよバカっ!何してるの!?」
スカートの裾から侵入してきた手が太ももに触れる。
それに反応してピクっと動いてしまう体と勝手に出てしまった変な声。
「芽依の太もも柔らかくてスベスベで気持ちいいなって」
「な、何言ってるの……」
さすがに心臓に悪いよ、コウくん。
すごい変態発言してるよ、コウくん。
「でも、やっぱりモコモコパジャマ着てる芽依を抱きしめるのが一番好き」
コウくんはわたしの膝枕に顔をうずめながら淡々と話す。
変態こじらせちゃってませんか、コウくん。



