これはもうお願いするしかない。



「……コウくん」


「なーに?あ、お願いするなら可愛くして」


「……はい?」



コウくんってば何を考えてるの!?


ニコッとすらも笑わず、真顔でわたしのことを見つめてくる。



「可愛く言ってくれないと手伝ってあげないから」



意地悪なコウくんは、わたしが何をしようとしているかわかってる。



「お願いします、わたしの宿題を手伝ってください!!」



可愛い言い方なんてわからなくて、コウくんに土下座してお願いする。


宿題が終わらないことが確定したわたしは、コウくんに手伝ってもらいたくて必死。


そんなわたしの願いも虚しく……



「それじゃダメ」


「そんなぁ……」



コウくんの言う可愛いって何?


よく雑誌とかで目にするのは──上目遣い、とか?


それしか方法が思いつかないわたしは、とりあえずやってみるしかないとベッドから降りて、コウくんを下から見上げる。



「お願い、コウくんっ」



顔の前で手を合わせて必死に訴える。


けれど、コウくんからは何も返事がない。



「コウくん?」


「……っ、それは反則」



何がそうしたのかわからないけれど、コウくんの頬はほのかに赤く染っている。


コウくんが照れてる……?


激レアなコウくんの姿にわたしは興奮してしまう。