「本当、だよ……ずっとずっと好きだった。でもコウくんにとってわたしはずっと幼なじみだったから言えなかった」
「……ははっ」
きっとそうだよって、俺たちはただの幼なじみだって、そう言われるんだって今にも泣きそうになるわたしに、予想外にコウくんは笑った。
どうしてコウくんは笑ってるの？
「そんなに難しいことじゃなかったのかもね」
「……どういうこと？」
頭の悪いわたしにはコウくんの言うことがわからない。
「俺は芽依に近づいてはいけないと一線を引こうとしてた。でも、どんなに頑張っても自分の気持ちには嘘がつけなかった」
「わかんないよ、コウくんっ」
今度はぴったりと視線が合った。
ここからもう１ミリも動けないくらい絡みついて離れない。
「好きなんだよ、どうしようもなく芽依のことが」
「……っ！」
コウくんも───わたしのことが好き？
うそ……嘘だよね？
「なんで泣くの？」
「だ、だって」
嬉しいんだもん。
止めたくてもポロポロと流れる嬉し涙。
こうしてコウくんに想いが届く日が来るなんて思っていなかったから。
