「いい子みーつけたっ」
「……ひっ!」
いきなり掴まれた肩。
薄暗さもあり、ついに会ってはいけない幽霊と遭遇してしまったかと思った。
「ほら、可愛い!俺の言った通りだろ?」
「あぁ。さすがだな、お前」
何やらわたしを囲んで盛り上がる背の高い男の人たち。
まさか、ここに来てナンパ?
わたしは今それどころじゃないんだけど……
早く咲良ちゃんたちと合流しなきゃ。
「ちょっと待って、逃げないでよ」
「キミも一緒に遊んでくれる人探してたんでしょ?」
一緒に遊ぶ?
ニコニコしながらそう言われたけれど、わたしはこの人たちと遊ぶつもりは1ミリもない。
「わたし、行くところが……」
「うん、お祭りでしょ?俺らと一緒に行こうよ」
男の人たちはヒートアップして、わたしの腰に手を回してきた。
ただただ気持ちが悪い。
「は、離してっ」
「え、なんで?キミも浴衣で一人で出歩いて、一緒に遊んでくれる人探してるんじゃないの?」
「こんなところに一人でいるのナンパ待ちしかいないっしょ」
2人の男の人たちはケラケラと笑う。
わたし、ナンパ待ちだと思われてたの?
わたしはただの迷子なのに。



