ぜんぶ欲しくてたまらない。




***



「奥田くんお待たせしましたっ」


「試合見に来てくれた時もそうだけど、今日も可愛いね!すごく芽依ちゃんに似合ってるよ」


「……っ、ありがと」



待ち合わせして最初の言葉がそれなんて。


胸のドキドキが止まらない。


奥田くんはさらりと嬉しい言葉をかけてくれるから。


今日のために新しい服を買っておいて良かった。


咲良ちゃんにも頼んで服を選んでもらった。


同じワンピースだけど、今日は白地に小花柄のワンピース。



「やっぱりデートと言えば白ワンピでしょ!」という咲良ちゃんの一言ですぐに決まった。


奥田くんが気に入ってくれたなら大成功。


咲良ちゃんのおかげだね。



「じゃあ行こっか」


「うん!今日はどこ行くの?」


「今日はね、水族館に行こうかと思って」


「ほんと?わたし、水族館好きなんだ」


「よかったー。芽依ちゃん好きそうだなって思って選んだんだけど不安だったんだ」



頭をかきながら照れくさそうに言う奥田くん。


わたしを想って決めてくれたことが嬉しい。



「ありがとう、奥田くん」