ぜんぶ欲しくてたまらない。




「やった……やったよ、咲良ちゃん!」


「さっすが奥田くん!」



わたしたちは思わずハイタッチを交わす。


その後も何度か奥田くんがシュートを決めるシーンもあり、そのまま逃げ切る形で試合は終了した。


無事に奥田くんのチームの勝利。



「デート楽しんできてね、芽依ちゃんっ」


「はっ、忘れてた……」



目の前の試合に集中しすぎて。



「せっかくだから楽しんでくるよ」



奥田くんと一緒にいる時間はとても楽しい。


でも、奥田くんのことが好きかと聞かれたらまだわからない。


このまま奥田くんのことを好きになれたらいいのに。


そしたら、きっと毎日が楽しいはず。


奥田くんとデートしたら、また気持ちが変わるかな?


そんな期待をしながら、咲良ちゃんと帰路についた。