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「咲良ちゃん、わたし……覚醒したかもしれない」
そんな意味不明なことを咲良ちゃんに話し始めたのは、期末テストの答案が帰ってきたあと。
「2回連続赤点回避なんてすごいじゃん!」
咲良ちゃんがわたしの答案用紙を覗いてそう言うのは、今までのわたしのテストの酷い点数たちを知っているから。
「奥田くんにはお礼言ったの?」
「うん、もちろん!赤点回避できたのも奥田くんのおかげだからね」
テスト明けに試合が入っているから、ギリギリまで部活をやっていて、休みの度に付きっきりで教えてくれていた。
きっとわたしのせいで自分の勉強時間が削れてしまっていたはずなのに、最後までわたしに付き合ってくれた。
無事に全教科返ってきたあと奥田くんに報告したら自分のことのように喜んでくれて、伸ばしてきてくれた手とハイタッチを交わした。
「で、奥田くんにデートのお誘いされたんだって!?」
「ま、まだだよ!初めて出るバスケの試合に勝てたらって約束で……」
「でも芽依ちゃんはオッケーしたんでしょ?」
「うん、断る理由もなかったし……」
奥田くんとお出かけなら楽しそうかなって思ったから。



