「芽依ちゃん、そろそろ行こっか」


「うん、そうだね」



友達と話していた奥田くんが戻ってきて、先生に授業の終わり際指示されたように職員室へと向かう。



「あれ、入れないみたいだね」



先生に指示されたとおりに職員室まで来たのはいいものの、テスト前だからということで生徒は中に入るのはダメだとドア前に貼り紙がしてあった。


これじゃ中に入ることができない。



「……テスト」



それよりもわたしはまた悪夢のテスト期間がもうすぐだという現実を受け止めきれず固まってしまっていた。



「えっ、芽依ちゃんめっちゃ顔色悪いけど大丈夫!?」


「あぁ、うん……ちょっとテストが苦手でまたあの期間がやってくると思うと恐ろしくなっちゃって」



そう言うと奥田くんは「芽依ちゃん面白すぎ」とお腹を抱えて笑っていた。



「芽依ちゃん、テストとか得意そうなのに!」


「もう全然だよ。いつも赤点ギリギリだし、前回のテストは死ぬ気でやってやっと平均取れたくらいだもん」


「そうなの?じゃあやればできる子じゃん!もし良ければ俺が教えてあげよっか?」


「えっ、いいの?」