「ねぇ芽依ちゃん!芽依ちゃんって航大くんと付き合ってるの?」
「……んふっ」
ド直球な質問にショートケーキを喉に詰まらせかけた。
「あれ?図星だったぁ?」
パフェの生クリームを口に運びながら首を傾げ、こちらを見ている梨里愛ちゃん。
ドクンドクンと心臓が大きく音を立てる。
「ううん。コウくんとわたしはただの幼なじみだよ」
コウくんが親しげに話す相手はほんのひと握り。
特に異性となるとほぼ居ない。
そのせいか初対面の人にはそう勘違いされる。
「そっかぁ。なーんだ、梨里愛の勘違いかぁ」
ふぅーんと頷いたあと、梨里愛ちゃんの表情は一気に明るくなった。
「芽依ちゃん!梨里愛ね、芽依ちゃんにお願いがあるの!」
心臓の音がさらに大きくなる。
わたしの本能が聞きたくないと言っている。
「梨里愛、航大くんが好きなんだぁ」
ほら。
こんな可愛い子がライバルなんて敵わないじゃん。



