んー、何食べようかな。
食品サンプルの置かれたショーウィンドウを見て悩む。
「あれ?この前航大くんたちと仲良さそうにしてた……カフェに居た子だよね?」
「……えっ?」
見覚えのある明るい髪色のゆるふわツインテールの女の子。
「ほらっ、やっぱりそうだー!」
真っ直ぐな瞳でわたしを覗き込んでくる。
心の奥まで見透かしてしまいそうなほど真っ直ぐで、怖ささえ感じてしまう。
「俊介くんからも聞いたけど、みんな同じクラスで仲良しなんだってねーっ」
俊介くんって、須藤くんのことだ。
須藤くんとも仲がいいのかな、梨里愛ちゃん。
それもそっか、もう数ヶ月も一緒にバイトしてるもんね。
「ねぇねぇ、お名前なんて言うの?」
「えっと……芽依です。芦沢 芽依……」
「芽依ちゃんかー。あっ、芽依ちゃんって呼んでもいい?」
「う、うん」
ぐいぐいと距離を近づけてくる梨里愛ちゃんに押されるわたし。
「わたしは梨里愛!梨里愛って呼んで?」
「うん、わかった」



