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あの日から数日が経った。


コウくんの様子には全く変わりはないし、今日もバイトに行くのが面倒くさいと嘆いている。



そんなコウくんを慰めている須藤くんのやり取りもいつも通り。


モヤモヤとしているのはわたしだけ。


変わったのはわたしたちの距離感。


何故か梨里愛ちゃんという子に会った次の日から登下校も用事があるとか何かと理由をつけて別々になった。


声をかけても以前にも増して素っ気なくなった。


返ってくる返事も本当に一言だけ。


コウくんがすごく遠く感じる。


そう感じてしまうのは、わたしがコウくんと一緒にいることに気まずさを少し感じてしまっているせいもあると思う。


どこかお互いを避けている───そんな感じ。



「大丈夫?」


「うん、大丈夫」


「大丈夫って顔してないよ?」



見るからに元気がないわたしを咲良ちゃんは心配して気にかけてくれた。