「楽しみだねっ」
「そうだねー、きっとかっこいいんだろうな」
コウくんはまだだろうか。
今日が初日だからいろいろと基本を教わってるんだと思うけど……
ちゃんと話聞いてるかな?
そんなことを考えながらチラチラとカウンターの奥を気にしてしまう。
「えっ?わたしスイートポテトのこと話してたんだけど……芽依ちゃん、倉敷くんのことで頭いっぱいなんでしょ?」
「へっ……やっ、スイートポテト!楽しみだよね!」
「もう、可愛すぎるんだから」
咲良ちゃんに突っ込まれて話が噛み合っていなかったことに気がつく。
そうだよね、咲良ちゃんはコウくんじゃなくてスイーツを楽しみに来てたんだから。
わたしってば恥ずかしすぎる。
コウくんと須藤くんはまだ奥から出てこない。
頼んだメニューが来るまで咲良ちゃんとは何気ない世間話で盛り上がっていた。
「はい、お待たせ致しました。スイートポテトとアイスティーです」
「こ、コウくん!」
運んできてくれたのはカフェ制服姿のコウくん。
学校の制服とは違ってエプロン姿はとても貴重。
今すぐ写真に収めて家宝にしたいくらい。



