それからコーヒーカップとか小さい頃によく乗ってたメリーゴーランドに嫌がるコウくんを無理矢理連れて乗ったり……
お昼は少しずらして売店で買ったホットドッグをベンチに座って食べたり。
なんだかんだコウくんは1日わたしに付き合ってくれた。
楽しかった時間ももうすぐおしまい。
閉園まではあと1時間。
日もすっかり沈んでしまって、空にはちらほら星が見える。
まわりがカラフルなライトで明るいからほとんど見えないけれど。
「ねぇねぇコウくん、最後に乗りたいものあるんだけど」
これは1番最後にコウくんと一緒に乗るって決めていたものがある。
「何?」
「あれに乗りたい!」
わたしが指さしたのは七色に光っている観覧車。
きっと頂上からは綺麗な夜景が見えるんだろうな。
それも楽しみだし、やっぱり観覧車に好きな人と乗ることも夢だったから。



