───放課後。
「コウくんっ!」
ホームルームが終わり、真っ先に向かったのはもちろんコウくんのところ。
「テンション高すぎ。帰るよ」
「あっ、ちょっと待ってよ、コウくん」
足早に教室を出ていくコウくんの後ろを追いかける。
背も高く足が長いせいか1歩が大きい。
背の低いわたしは普通に歩いてもコウくんには追いつけない。
やっと追いついたのは生徒玄関についてから。
「もう、なんで先に行っちゃうの」
「早く帰りたかったから」
靴を履き替えてからコウくんにそう問いかければ、コウくんらしい答えが返ってきた。
「あと、なんか芽依とんでもないこと言いそうだったし」
「とんでもないことって……?」
コウくんはわたしをなんだと思ってるんだろう。
「それで、ご褒美は何がいいの?」
校門を出て、ごちゃっと集まっていた人がまばらになる。
それを待っていたかのようにコウくんから話を振ってきてくれた。