「……美南、お菓子作ったら、持ってきてくれよ?」

 「あ、うん……分かったよ」

 「楽しみにしてる」

 「あっ、琉生くん……!」

 「……ん?」

 「あ、あの……ありがとう」

 「……べつに」




 琉生くんは、少しだけ嬉しそうな顔をして、屋上から出て行った。
 ……琉生くんの笑顔って、どうしてこんなに、安心するんだろう?




 見ているだけで、そばにいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれるのって。
 きっと、琉生くんだからだと思う。




 ……琉生くん、ありがとう。
 好きって言ってくれて、そばにいてくれて、本当にありがとう。




 ……わたしはこれからも、琉生くんのそばにいたい。