悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 マレイモのことでいっぱいだった頭が、少しずつ落ち着きを取り戻してくる。

(この地は、戦の要所ではないけれど……)

 先ほど、アンドレアスに言ったのも嘘ではない。何かあった時、領主がすぐに手配できる食料はある程度備蓄しておいた方がいい。
 アンドレアスは、ロアに援助を求めればいいと気楽に考えているようだが、ロアが援助できない状況に陥っているという可能性だってある。

(できれば、マレイモ以外の食料もあった方がいいわよね……そうね、あと、塩はあった方がいいかもしれない)

 小麦や、蕎麦等、マレイモ以外の食材も備蓄しておいてもらいたいところだ。
 必要以上に、アンドレアスの領地経営に口を挟むのも違うだろうが、最低限のことは伝えてもいいだろうか。

(でも……どうやって、お話を進めるかが問題よね……)

 先ほどの許可だって、取り付けるのは大変だった。手足となる部下が忠実に役目をはたしていれば、アンドレアス自身が動く必要はないと思っているのかもしれない。レオンティーナの話には、聞く耳を持ってくれなそうだ。

(この領地のことは、私が口を挟めることではないとわかっているけれど……)