「ソニア、ハーブティーを寝室に運んでおいてくれる? それから、ロニーを呼んでほしいの」
「かしこまりました」
ソニアが出ていくと、すぐにロニーが入ってきた。たぶん、近いところで待機していたのだろう。
「あなたに、このようなことを頼むのは悪いと思うのだけど、この屋敷を調べてもらえないかしら」
「俺は、このためにここにいるんでしょう。で、何をやらせたいんですか?」
「アンドレアス殿下のことを調べてほしいの。書類とか、手紙とか――何もなければ、それでいいのだけど」
机や金庫の中をあさったり、他の人あての手紙を隠れて読んだりしないといけない。そんなことまでやらせてしまうのは申し訳ないけれど、他に手がないのだ。
けれど、ロニーはけろりとしてその頼みを受け入れてくれた。
「ああ、あの人。前皇妃の息子だもんな。いいですよ、俺に任せておいてください。何かわかったら報告に行くんで、お嬢さんの方から俺に聞くことはしないでください」
ロニーが出ていくと、レオンティーナは書類を取りまとめた。ここでのレオンティーナの仕事は、もうほとんど終わりと言っていいだろう。



