(これ以上の変化をアンドレアス殿下に期待するのも、間違いかもしれないわね……)
少なくとも、都に救援を求めることはしたのだ。これ以上を彼に求めるのもまた傲慢なのかもしれなかった。
翌日から、レオンティーナは忙しく動き始めた。
まずは、畑の調査だ。グラナック博士と二台の馬車を連ね、領地のあちこちを見て回る。
アンドレアスの屋敷に戻ってきたら、今度は種芋をどこにどのくらい運ぶかの相談だ。屋敷から歩いて五分ほどのところにある畑にも植えることにした。
レオンティーナがグラナック博士に同行している間、ヴィルヘルムは救援物資の分配の作業にあたっていた。
「マレイモだけでは心配だから、蕎麦は残しておいた方がいいと思うの。一種類の作物に限定してしまうと、作物の病が発生した困るでしょう?」
「そうですね。蕎麦は、もう少し作付け面積を増やしてもいいかもしれません。レオンティーナ様、このあたりは、今はどうなっていますか?」
グラナック博士の指が、ふたりの間にあるテーブルに置かれている地図の一点を抑えた。レオンティーナは、慌てて積み上げてある資料をひっくり返し、その中から一枚を取り出す。
少なくとも、都に救援を求めることはしたのだ。これ以上を彼に求めるのもまた傲慢なのかもしれなかった。
翌日から、レオンティーナは忙しく動き始めた。
まずは、畑の調査だ。グラナック博士と二台の馬車を連ね、領地のあちこちを見て回る。
アンドレアスの屋敷に戻ってきたら、今度は種芋をどこにどのくらい運ぶかの相談だ。屋敷から歩いて五分ほどのところにある畑にも植えることにした。
レオンティーナがグラナック博士に同行している間、ヴィルヘルムは救援物資の分配の作業にあたっていた。
「マレイモだけでは心配だから、蕎麦は残しておいた方がいいと思うの。一種類の作物に限定してしまうと、作物の病が発生した困るでしょう?」
「そうですね。蕎麦は、もう少し作付け面積を増やしてもいいかもしれません。レオンティーナ様、このあたりは、今はどうなっていますか?」
グラナック博士の指が、ふたりの間にあるテーブルに置かれている地図の一点を抑えた。レオンティーナは、慌てて積み上げてある資料をひっくり返し、その中から一枚を取り出す。



