「ヴィルヘルム様も、明日以降の作業の打ち合わせを進めた方がよいでしょう。食料をどこの倉庫に配備するのか、ターナジアの役人に確認するのが最初ですか? それとも、別の作業が必要ですか?」
レオンティーナの言葉に、ヴィルヘルムは目を丸くした。しばらくの間、目を丸くしたままだったけれど、ゆっくりとその目を細める。
「いや、こちらの役人と先に顔を合わせることにしよう。アンドレアス、部屋への案内を頼みたい。誰かよこしてくれ」
「――わかった」
それきり、アンドレアスはこちらに興味を失ったようだった。くるりと背を向け、ふたりを残して行ってしまう。
彼を見送り、レオンティーナははぁっと息を吐きだした。
(……こうなるであろうことを、予測しておくべきだったわ……!)
よくよく考えてみれば、アンドレアスとヴィルヘルムの立場は、大きく変わってしまっている。アンドレアスが、ふたりの来訪を面白く思わないのも当然だった。
それでも、領民の救援を求めてくるあたり、一応、領主としての仕事はしっかりやるつもりはあるらしい。
「――ヴィルヘルム様。穏便にお願いしますね?」
「穏便にって?」
レオンティーナの言葉に、ヴィルヘルムは目を丸くした。しばらくの間、目を丸くしたままだったけれど、ゆっくりとその目を細める。
「いや、こちらの役人と先に顔を合わせることにしよう。アンドレアス、部屋への案内を頼みたい。誰かよこしてくれ」
「――わかった」
それきり、アンドレアスはこちらに興味を失ったようだった。くるりと背を向け、ふたりを残して行ってしまう。
彼を見送り、レオンティーナははぁっと息を吐きだした。
(……こうなるであろうことを、予測しておくべきだったわ……!)
よくよく考えてみれば、アンドレアスとヴィルヘルムの立場は、大きく変わってしまっている。アンドレアスが、ふたりの来訪を面白く思わないのも当然だった。
それでも、領民の救援を求めてくるあたり、一応、領主としての仕事はしっかりやるつもりはあるらしい。
「――ヴィルヘルム様。穏便にお願いしますね?」
「穏便にって?」



