ふと隣から来る視線を感じる。ぱっと顔を上げたら、隣に座っていたヴィルヘルムと目が合った。どちらからともなく、無言のまま微笑み合う。
それから二人とも、自分の仕事に戻ったのだった。
二週間の間旅は順調に進み、予定していた期日にターナジアに到着した。
アンドレアスの住まう屋敷は、建てられてから五十年ほどがたっているそうだ。石造りの堅固な建物であり、冬の寒さも耐えられるよう工夫されている。
物資を積んだ荷物も、先ほど到着したそうだ。
「ヴィルヘルム、レオンティーナ。久しいな」
屋敷の前まで出迎えたアンドレアスは、皇宮にいた時とほとんど変わらない様子だった。領主としての務めは果たしているようだが、いかにも動きにくそうな装飾の多い服を身に着けている。
動きやすさ重視のヴィルヘルムとレオンティーナの服装を見て、彼はふんと鼻を鳴らした。
「お前達が来たら、ロアの流行がどうなっているのかわかると思ったんだがな。つまらん服だ」
「ここには、遊びに来たわけじゃないぞ。アンドレアス」
アンドレアスとヴィルヘルムの間に、視線の火花が散っているような気がする。
それから二人とも、自分の仕事に戻ったのだった。
二週間の間旅は順調に進み、予定していた期日にターナジアに到着した。
アンドレアスの住まう屋敷は、建てられてから五十年ほどがたっているそうだ。石造りの堅固な建物であり、冬の寒さも耐えられるよう工夫されている。
物資を積んだ荷物も、先ほど到着したそうだ。
「ヴィルヘルム、レオンティーナ。久しいな」
屋敷の前まで出迎えたアンドレアスは、皇宮にいた時とほとんど変わらない様子だった。領主としての務めは果たしているようだが、いかにも動きにくそうな装飾の多い服を身に着けている。
動きやすさ重視のヴィルヘルムとレオンティーナの服装を見て、彼はふんと鼻を鳴らした。
「お前達が来たら、ロアの流行がどうなっているのかわかると思ったんだがな。つまらん服だ」
「ここには、遊びに来たわけじゃないぞ。アンドレアス」
アンドレアスとヴィルヘルムの間に、視線の火花が散っているような気がする。



