悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

それに、次に御前会議に参加する時に、レオンティーナの議題を取り上げてもらうためにはどうすればいいかも考えなければならない。ターナジアにいる間も、ユエラ伯爵夫人とやりとりをして、教育制度の改革案を練り上げるつもりだ。

(種芋はたくさん持ってきたけれど、全部使えるかどうかもわからないし)

 書類だけでは、現在土地がどのように使われているのかわからない。
 不安にかられて、焦る気持ちが芽生えてくると、それを察したかのようにヴィルヘルムがあいている方の手を重ねてくる。

(そうよね、ヴィルヘルム様だって、不安を抱えているはずだもの)

 ヴィルヘルムも、皇都ロアを離れてひとりで政務を行うのは初めてのはずだ。
 今回、皇帝はふたりの資質を見定めようとしているのだろう。
 皇帝の期待に応えなくては。それを思うと身が引き締まるような気がした。

(……無理はしない。でも、やるべきことはきちんとやらなくてはね)

 レオンティーナの心の声は、ヴィルヘルムには届いているだろうか。