立ち去るヴィルヘルムを見送ってから、レオンティーナは伯爵夫人に小走りに近づいた。
「伯爵夫人、お話したいことがあるのです」
いずれ、彼女には協力を仰がなければならなかった。もう少しきちんと準備をしてからにしたかったけれど、皇帝の命令の方が優先だ。
立ち止まった彼女は、レオンティーナに艶やかな笑みを向けた。
「まあ、レオンティーナ様。ご機嫌いかが?」
「私、陛下のご命令で出かけないといけないことになってしまって……それで、伯爵夫人にお願いがあるのです」
三大大公は、皇宮の中に部屋を与えられている。これは、政務で遅くなった時に宿泊したり、皇帝や皇妃に相手を命じられた時に準備を調えたりするための部屋だ。レオンティーナが図書館を訪れる度に、お茶を飲んだり休憩をしたりするのもこの部屋である。
母の趣味である繊細な家具で統一された部屋に伯爵夫人を招き入れ、皇帝からの命令でしばらく出かけなければならなくなったことを告げる。
「……陛下のご命令とは、さすがレオンティーナ様ですね」
「伯爵夫人、お話したいことがあるのです」
いずれ、彼女には協力を仰がなければならなかった。もう少しきちんと準備をしてからにしたかったけれど、皇帝の命令の方が優先だ。
立ち止まった彼女は、レオンティーナに艶やかな笑みを向けた。
「まあ、レオンティーナ様。ご機嫌いかが?」
「私、陛下のご命令で出かけないといけないことになってしまって……それで、伯爵夫人にお願いがあるのです」
三大大公は、皇宮の中に部屋を与えられている。これは、政務で遅くなった時に宿泊したり、皇帝や皇妃に相手を命じられた時に準備を調えたりするための部屋だ。レオンティーナが図書館を訪れる度に、お茶を飲んだり休憩をしたりするのもこの部屋である。
母の趣味である繊細な家具で統一された部屋に伯爵夫人を招き入れ、皇帝からの命令でしばらく出かけなければならなくなったことを告げる。
「……陛下のご命令とは、さすがレオンティーナ様ですね」



