「そうですね。教育制度改革の件についても……どなたか、信頼のおける方に協力をお願いしないと。たしかに、今の最優先ではありませんが、この国の未来がかかっていますから」
レオンティーナは、そう返しながらも考える。
一歩一歩、やれる限りのことをやっていく。レオンティーナにできるのは、そのくらいしかない。
「――ヴィルヘルム様、私はここで失礼します。会いたかった方がそこにいるので」
ちょうど目の前を、ユリア伯爵夫人が歩いている。最初に御前会議に出席した時、レオンティーナに話しかけてくれた女性だ。
「わかった。では、三日後。支度や時間についてはあとで連絡する」
「……はい。お待ちしています」
伯爵夫人の方に向かおうとし――レオンティーナは、思い返してヴィルヘルムの方に向き直った。ぎゅっと彼の右手を掴む。
「……大変なお役目ですけれど、頑張りましょうね」
「あ――ああ」
ヴィルヘルムと、もう一度だけ視線を合わせる。繋いだ手を持ち上げ、ヴィルヘルムはそこにそっと唇で触れた。照れくさくなってくすくすと笑えば、そっと手が離される。
レオンティーナは、そう返しながらも考える。
一歩一歩、やれる限りのことをやっていく。レオンティーナにできるのは、そのくらいしかない。
「――ヴィルヘルム様、私はここで失礼します。会いたかった方がそこにいるので」
ちょうど目の前を、ユリア伯爵夫人が歩いている。最初に御前会議に出席した時、レオンティーナに話しかけてくれた女性だ。
「わかった。では、三日後。支度や時間についてはあとで連絡する」
「……はい。お待ちしています」
伯爵夫人の方に向かおうとし――レオンティーナは、思い返してヴィルヘルムの方に向き直った。ぎゅっと彼の右手を掴む。
「……大変なお役目ですけれど、頑張りましょうね」
「あ――ああ」
ヴィルヘルムと、もう一度だけ視線を合わせる。繋いだ手を持ち上げ、ヴィルヘルムはそこにそっと唇で触れた。照れくさくなってくすくすと笑えば、そっと手が離される。



