悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

「ならば、彼も同行させるがよい。私は、ヴィルヘルムの目とそなたの目で見た報告を聞きたいのだ。やってもらえるか」

 レオンティーナは目を見張った。今まで、皇帝の命令で養護施設の運営に携わってきた。だが、皇帝の命令で皇都ロアを離れ、地方での仕事に携わる。

(陛下は……私を認めてくださった……? それとも試されているの……?)

 御前会議に参加するようになっても、気のきいた発言などできなかった。養護施設の改革に関する議題だって、まだ上げることができていない。

「……私で、よろしいのでしょうか」

 そう問いかける声が、みっともないくらいに震えている。胸が熱い。
 皇帝がレオンティーナを認めているということを実感した喜びと、責任の重さにすくむ様な気持ちと。それはどちらもレオンティーナの本音だった。

「そなただから任せられると思っている」
「大役ですが……やらせていただきます」

 心臓が、ドキドキしている。頭もくらくらしていた。だが、それはヴィルヘルムと一緒にいる時とは違うのだ。

「ヴィルヘルム、そなたもよいな」