悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～ ２

「これは、アンドレアスからの食糧支援の依頼ですね。そんなにも足りないのですか？」
「あの地は、ほとんど人の手も入っていない土地も多いからな。土地が貧しく、なかなか作物を育てることができなかったのだ」

　皇帝の話を聞きながら、レオンティーナは気づく。だから、皇帝はレオンティーナにこの場所に来るようにと命じたのだろう。

「マレイモですか、陛下――いえ、失礼いたしました」

　つい、口からこぼれ出てしまった。
　皇帝と皇子の会話に割り込んでしまったことに気づき、レオンティーナは赤面する。
　いつもなら、こんなに無作法ではないのに、緊張のあまり学んできた礼儀作法もどこかに消え失せてしまったようだ。

「どうしましょう、私……」
「いや、気にするな。話が早くて助かる。ヴィルヘルムには支援の食料と、その分配の監督を。レオンティーナには、どんな作物を育てるのがいいか調査してほしい」
「それでしたら、グラナック博士が適任だと思います。彼は、マレイモの栽培方法を確立した人ですし、帝国全土の農作物に詳しいです。同行をお願いしてもよろしいでしょうか」