「ソニアにドレスを選んでもらいなさい。彼女に任せておけば安心だから」
「ええ。お母様、わかっているわ」
頬に手を当てて、考えるそぶりをしていた母は、ぽんと無造作に爆弾を投下してきた。
「ヴィルヘルム殿下と、あなたの婚約の話ではない……わよね……? お父様から、正式にお話をいただいたとは聞いてないもの」
「な、何を言っているの。お母様!」
レオンティーナの動揺は、激しかった。手にしていたカップの中身を危うくぶちまけそうになったほどだ。
もちろん、ヴィルヘルムとは……お互い好意を寄せている。このままいけばいずれはそんな話が出てもおかしくはなかった。
レオンティーナと皇子達の誰かを娶(めと)らせようというのはすでに既定路線なのだ。
「だって、あなた。最近ギルベルト殿下とも親しくしているでしょう。妙な噂になる前に、お相手を確定しておこうという陛下のご意思なのかも」
「殿下だけではないわ。ヴィルヘルム様や、ルイーザ様も一緒だもの」
「――世間はそうは見てくれないのよ。気をつけなさい」
「ええ。お母様、わかっているわ」
頬に手を当てて、考えるそぶりをしていた母は、ぽんと無造作に爆弾を投下してきた。
「ヴィルヘルム殿下と、あなたの婚約の話ではない……わよね……? お父様から、正式にお話をいただいたとは聞いてないもの」
「な、何を言っているの。お母様!」
レオンティーナの動揺は、激しかった。手にしていたカップの中身を危うくぶちまけそうになったほどだ。
もちろん、ヴィルヘルムとは……お互い好意を寄せている。このままいけばいずれはそんな話が出てもおかしくはなかった。
レオンティーナと皇子達の誰かを娶(めと)らせようというのはすでに既定路線なのだ。
「だって、あなた。最近ギルベルト殿下とも親しくしているでしょう。妙な噂になる前に、お相手を確定しておこうという陛下のご意思なのかも」
「殿下だけではないわ。ヴィルヘルム様や、ルイーザ様も一緒だもの」
「――世間はそうは見てくれないのよ。気をつけなさい」



