白いテーブルクロスがかけられ、銀のティーセットが用意されている。レオンティーナの好きな焼き菓子が並び、甘い香りが漂っていた。

「……とってもおいしいです、このエクレア」

 チョコレートクリームのかかったエクレアを食べ、レオンティーナは感嘆の声をもらした。
 中に入っているカスタードクリームと上にかけられているチョコレートクリームのバランスが絶妙だ。

「それは、よかった。それで、ターナジアについて調べていたわけは?」
「なぜ、陛下がアンドレアス殿下をあの地に送ったのかが気になるんです。あの土地は貧しく、皇帝一族の領地とするには……不適切です。最初は、お母上の罪を償わせるためあえて厳しい地に送ったのかとも思ったのですが……」

 母の罪を子に背負わせる。皇子としての地位は剥奪しなくとも、皇子の領地とするにはあまりにも貧しい土地を与え、罰とする。
 レオンティーナも最初はその程度なのだろうと思っていた。だが、そうなるといろいろと不自然なのだ。