「ギルベルト殿下! お目にかかれて光栄です」
レオンティーナとソニアが座る席は、いつも決まっている。レオンティーナが皇宮を訪れている時は、ここに来れば会える確率は高い。
先日とは違い、にこやかな笑みを浮かべたギルベルトは、レオンティーナの向かい側の椅子を引いた。
「今日は何を調べているの」
「……ターナジアについてです、殿下」
アンドレアスの領地の名を聞き、ギルベルトは眉間に皺を寄せる。少し、考える表情になった彼は、レオンティーナが前に置いていた資料を自分の方へと引き寄せた。
「……なるほどね。ターナジアの歴史には、興味ある?」
「え、ええ……」
「ここでは話せないから、あとで僕の部屋まで来てもらえるかな。先日の約束通り、一緒にお茶を飲もう」
「ありがとうございます。では――」
特に予定のない限り、レオンティーナが図書館を去る時間はだいたい決まっている。
皇宮の図書館で過ごした日は、毎回宮内に設けられている大公家の部屋でお茶を飲んでから帰るのだが、今日はその時間をギルベルトの部屋で過ごすことにした。
レオンティーナとソニアが座る席は、いつも決まっている。レオンティーナが皇宮を訪れている時は、ここに来れば会える確率は高い。
先日とは違い、にこやかな笑みを浮かべたギルベルトは、レオンティーナの向かい側の椅子を引いた。
「今日は何を調べているの」
「……ターナジアについてです、殿下」
アンドレアスの領地の名を聞き、ギルベルトは眉間に皺を寄せる。少し、考える表情になった彼は、レオンティーナが前に置いていた資料を自分の方へと引き寄せた。
「……なるほどね。ターナジアの歴史には、興味ある?」
「え、ええ……」
「ここでは話せないから、あとで僕の部屋まで来てもらえるかな。先日の約束通り、一緒にお茶を飲もう」
「ありがとうございます。では――」
特に予定のない限り、レオンティーナが図書館を去る時間はだいたい決まっている。
皇宮の図書館で過ごした日は、毎回宮内に設けられている大公家の部屋でお茶を飲んでから帰るのだが、今日はその時間をギルベルトの部屋で過ごすことにした。



